〜団塊の世代の老後〜

小さな「宅老所」を作りたい、という夢を叶えて歩き出した新しい世界。それが「ケアホームわかみやの郷」の始まりでした。社会福祉協議会でヘルパー、ケアマネとして働いた10年を基礎に、積み上げていった「ケアホームわかみやの郷」の年月の重みを感じる今日この頃です。

宅老所は特別な行事や日々の日課なども無く普段の生活を普通にやっていく所…として出発しました。利用者様4名で出発した宅老所も、時代の要請に応じて利用者数が増加していくにつれて、求められる多様な支援の必要から、介護事業所としての「成長」を迫られていきました。それは事業所の成長のみならず自身の成長へと繋がっていきました。

思い返せば、そんなことも勉強しないでよく始めたものだな、という位不勉強な私の幼稚な事業所を、皆様方が育てて下さいました。利用者様、ご家族様、町内会ほか地域の皆様、他事業所様、市・県行政様、従業者の皆様、わかみやの郷に関わってくださいましたすべての皆様、ここまで何とか一歩一歩進んで来られたのは皆様のお蔭です。本当に有難うございました。

自らが前期高齢者の仲間入りをした今、我々団塊の世代の80代、90代の老後とはどのようなものであろうかとより身近に考えます。若い働き手が減っていく中で介護の担い手が不足するという厳しい現実は将来の事ではありません。私たちを支える世代はないと思った方がいいでしょう。「元気な年寄りが弱った年寄りをたすけて共に生きる」時代が到来しています。どのような制度の変遷があったとしても、制度や施策が直接高齢者を助けてくれるわけではありません。それを運用する人間の力にかかっています。中でもケアマネジャーとして働き、リタイアした人が今後たくさん高齢者の仲間入りをしてきます。この専門職は頼もしい存在です。よわった時は「たすけて」と言える、ちょっとしたことでも「困ってないか？」とお節介できる、そんな間柄を大切に、小さなコミュニティ・ネットワークの担い手となって頂きたい…などと考えているこの頃です

株式会社ひかりの郷　代表取締役

ケアホームわかみやの郷　代表

小松　律子